2016年10月15日

小説「3月11日の記録(仮)」(1)

横断歩道に向かう。歩行者用信号が点滅する。彼は駆け足になる。歩行者用信号が赤に変わる。彼は横断報道を渡り切る。

選挙演説が聞こえてくる。政治家事務所のスタッフが挨拶してくる。彼を含めた歩行者達は、伏目で駅に向かう。地下鉄の入り口には、選挙の立候補者が立っている。テレビでも見かける元大臣の政治家だ。おはようございますと政治家がいう。彼は足早に通り過ぎる。

何人もの通勤者に無視されても、政治家達は挨拶を繰り返す。無視されても挨拶を繰り返して顔を売れば、やがて富と権力を手にするのだろうか。続きを読む
タグ:小説
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2016年10月03日

小説を書く立場からのキングオブコント2016感想〜ひとつのモチーフを変奏させる

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by G-Tools , 2016/10/03



TBSでキングオブコント2016が放送された。毎年キングオブコントの感想を書いているけれど、今年は小説を書く立場から見て、感じたことを書いてみる。

ファーストステージに出て来た10組は、小説の新人賞でいうと、最終選考に残った10組といえる。プロの小説家の最終選考審査員5人に見てもらえる。

3組目のかもめんたるまでは、会場も手探り感。4組目のかまいたちのネタ、受けていた。同じボケを繰り返す。何回も繰り返し、変奏することで、最初はそんな面白くないと思っていたボケが、そのうちツボにはまってくる。ボケもツッコミの仕方も次々変わる。短い小説では、ひとつのモチーフを最初に提示し、そのモチーフを多様に変奏して、展開していくと高評価になる。音楽でも同じだ。モチーフの繰り返しでテーマが明確になる。続きを読む
posted by 野尻有希 at 21:42 | TrackBack(0) | TV論(バラエティー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月02日

「SWITCHインタビュー達人達 ソングライター 水野良樹×映画監督 西川三和」より印象的な言葉のまとめ



NHK教育で『SWITCHインタビュー達人達 ソングライター 水野良樹×映画監督 西川三和』が放送された。水野はいきものがかりのリーダーでソングライター。西川三和は映画監督で小説も書く。以下印象的な箇所のまとめ。

西川:どうして自分達の音楽は、マスに受け入れられたと思っているか? 大衆歌という言葉を使われる。どうやったら大衆を惹きつけられるのか?
水野:なるべく多くを書かない。器になることを大事にする。
西川:器? 中身ではなくて?
水野:中身じゃない。中身は多分わかりあえないので。大前提として、人間と人間はわかりあえないところからスタートするべきだと思っている。共感する歌はある程度まではいくけれど、広く届かない。その人が、これは自分の言葉だと思った時、届く。続きを読む
posted by 野尻有希 at 01:08 | TrackBack(0) | 創作技術論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする