2011年11月27日

テレビ評:NHK教育『コロンビア白熱教室』第1回「あなたの人生を決めるのは偶然?選択?」のまとめ

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選択の科学
シーナ・アイエンガー 櫻井 祐子
文藝春秋 2010-11-12

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by G-Tools , 2011/11/27



NHK教育『コロンビア白熱教室』第1回「あなたの人生を決めるのは偶然?選択?」』のまとめ。

・ニューヨークマンハッタンにあるコロンビア大学。世界で最も多い90人以上のノーベル賞受賞者を輩出。ルーズベルト、オバマなど大統領も輩出。
・シーナ・アイエンガー教授は若くして失明。インド移民。厳格なシーク教徒の家庭で育った。生活の何もかも宗教で決まる生活と、自由な意志決定のアメリカの生活を両方体験。選択について考えるようになった。
・自ら選択することが、人間を人間たらしめる。
・自分の人生は、どのような偶然の出来事に左右されてきたか? 偶然の出来事がいかにして自分自身の人生計画の変更を迫ったか? 考えてみよう。
・人生があらかじめ決められていると考えると、救われる場合もある。実際はたくさんの偶発的出来事が結びついて、人生の物語ができる。
・アイエンガー教授の両親は、よりよい暮らしを求めて、母国を離れ、アメリカに渡った。これは偶然でなく、両親の選択の結果である。
・両親は、アメリカに伝統的なインドの文化を持ち込んだ。アメリカの学校では、選択することは人間の生まれ持った権利だと教えられた。相反する二つの価値観。

<運命、偶然、選択>
・人生は、運命、偶然、選択という3つの観点で語ることができる。選択という観念で語ることには意味がある、全ての言動に責任を持つようになるから。
・選択は誰でもできる。人生を選択という観念から見ると、心の底から力がわいてくる。
・家庭、貧富の差は運命によって決まる。偶然は予測できない様々なことをもたらす。しかし、あなたが何を選ぶかによって、人生が変わる。あなたの評価は、あなたの選択で決まる。

<成功者たちの選択>
・スティーブ・ジョブズの選択は、コンピュータ、音楽業界、通信に変革をもたらした。
・ジョブズのスピーチ「すべては私が生まれる前に始まった・・・大学を退学したことが人生で最良の選択だった。大学を辞めようと決めた日から、面白いと思う授業だけ出るようにした。・・・先を見越して点と点をつなぐことはできない。それは後でわかることだ。だから君たちは今やっていることが、後で実を結ぶと信じることだ」
・ビル・ゲイツのスピーチ「全てのサクセスストーリーには、運と偶然という要素があるという。1つのことに1万時間を費やせば、その分野にずば抜けて強くなるという人がいるが、実際は50時間を費やすと、半分は退屈だと言ってあきらめる。さらに50時間費やすと、9割はあきらめる。1万時間を費やした人は、自分で1万時間やり通すことを選び、選ばれた人なのだ」
・松井秀喜は、日本で成功していたが満足せず、ニューヨークヤンキーズに渡り、ワールドシリーズでMVPに選ばれた。日本人初の快挙。松井はFAという選択を活かした。

<監禁されたら何が起きる?>
・最高級のホテルにいけるとしても、ホテルにずっと閉じ込められるなら、その選択はされない。人は自由を奪われることを嫌うから。人間は、選択したい、コントロールしたいという本能的欲求を持っている。
・動物も、自分の運命を自分でコントロールしたいという欲求を持っている。動物園の多くの動物は、脱走を試みる。また動物園の動物は、野生の動物よりも寿命が短いし、繁殖率も低い。常にストレスを感じているからと考えられる。
・安全な場所にいるのに何故ストレスを感じるのか? 長い間安全な場所にいて、天敵が襲ってくる心配がないことを学び、食糧を探す必要がないとわかると、彼らはそれらの能力を失う。しかし、日々の暮らしの中には、野生で得られるような困難、刺激が必要で、それらがなければ、ストレスで活力が低下する。
・赤ちゃんは、最初にママでもパパでもなく、イエス、ノーの表現を覚える。
・仕事のやり方、休憩休暇の取り方を自分で選択できるようにすると、業績アップにつながる。

<ストレスを感じるのはどんな時?>
・コントロールを失うと、強いストレスを感じる。ストレス下では、逃走逃避状態になる。逃走逃避状態にいるのは、体が活性化するのでよいこと。しかし、慢性的に逃走逃避状態にいると、体に悪影響を与える。
・「エネルギッシュに激務をこなす上司は、50歳で心臓発作を起こしてぽっくり行く」というのは間違い。実際は、仕事上権限を持たない人が病気になる率、50歳でぽっくり行く率が高い。

<ストレスにどう対処する?>
・効果的な方法は、ストレスの根本原因を特定し、それに対してまだ可能な対処法のリストを作ること。リストを書き出す作業をするだけで、気分がよくなる。リストのうちから一つ選んで実行すれば、さらによくなる。どれを選ぶかは重要ではない。大切なのは、ストレスを減らすコントロールを起こしていると自覚すること。
・仕事に権限がないけど、他の人より健康な人もいる。心をコントロールする能力が高い人は、幸福度が高く健康である。

<選択する生活>
・選択できると信じることが、人の生死まで左右するのだろうか?
・ヨットマンのスティーブン・キャラハンは、自分の作った船で大西洋を横断したいという夢があった。夢を実行に移したら、ヨットが浸水、救命ボートの上で身動きが取れなくなった。「どうやってこの新たな状況から生き延びるか、全くわからなかった。ヨットが沈んでから新しい環境に適応するまで40日かかった。多くの人は諦めてしまう。飢餓にもなっていないのに、2、3日で諦める。彼らは諦めたから死ぬのだ」
・登山家アーロン・ラルストンは、山歩きの最中行方不明になった。彼は岩に手を挟まれたまま、岩とともに落下、5日間峡谷に挟まった。5日目には水が底をついた。彼は自分の死亡年月日を岩に刻みつけ始めた。自殺の覚悟をした時、彼の内なる声は別の選択を求めた。彼は「腕を切ればいいんだ」と声に出して言った。彼は使える1本の腕で、岩に挟まっている自分の腕を切断した。腕を切り終わった後、彼は崖をおり、10キロ歩いて、人に助けられた。

・このような物語をわかちあうのは、私達の務めだ。私達には、選択の物語を伝えていく義務がある。人生があなたから決して奪えないものがある。それは選択の物語。誰もが逆境を経験する。私達は日々可能なことと不可能なことに直面している。何を選択するのか、自分にはまだ何ができるのか、考える時は、アーロン・ラルストンの物語を思い出すとよい。
・選択は、今日の自分を明日なりたい自分に変えることができる唯一の手段である。それこそが、選択の力である。

<所感>
講義を聴いている最中『ちはやふる』のちはやが思い出された。かるたで世界一になりたい。選択。第2回は「選択しているのは本当にあなた 自分自身?」


posted by 野尻有希 at 19:08 | TrackBack(0) | TV論(ドキュメンタリー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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