2012年07月22日

書評:『話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」』より名言



西郷隆盛の談話集「西郷南洲翁遺訓」を現代口語訳にしたもの。JALを立て直した稲盛和夫さんが、西郷さんを敬愛していたので、その流れで本書を手に取ったが、すばらしかった。

<印象的な言葉>
(仕事の理想)
・どんな小さなことでも誠心誠意、目の前の仕事に取り組むこと。策謀を用いてはならない。策謀を用いれば、後に報復されるわずらいが生じる。
・喜びも楽しみも、理想の中にあってこそ。理想を忘れて享楽を追い求めるだけになったら、国は滅びる。
・人は己に克つことによって最後に成功を収め、己を愛し過ぎることによって、最後には失敗する。
・ある程度成功すると、賞賛されるようになる。すると、純粋な理想を忘れ、傲慢で尊大になり、自分を愛しすぎるようになり、失敗する危険が生じる。

(学問)
・学問をする者は、大志と克己の心が必要。自ら選んだ分野でおおいに奮発し、学問の力で人々を幸せにするのだという高い志を胸に抱いて欲しい。
・学問にのめりこむと、いつしか学び覚えることだけに心囚われる者も出る。書斎に引きこもって、ただ知識を詰め込む自己満足の学問をすると、世の中に何の寄与もせぬ、民の幸せなど考えもせぬ、愚かしい自分勝手な人間になってしまう。

(敬天愛人の道)
・道とは、「この世の全ての存在が幸せになること」。その根本は愛。
・人を相手にせず、天を相手にせよ。他人の思惑は眼中におかず、ただ信じる道を堂々と進むこと。
・天を相手にするとは、たとえ恨みのある他人がいたとしても、相手にしないこと。復讐心、憎悪の心は仕事を暴走させる。
・道を行うのに、尊卑貴賎の差別は関係ない。全てはその者の心構えにあるから、立場や地位は関係ない。
・周りの評判は、よい評判も悪い評判も、関係ない。ただ天の道を行うのみ。増長せず、恨まず、道を進む。
・「世間が違うと言うのだから、この生き方をやめよう」と言うのは、道から逃げる口実。世間に言われて仕方なくといった態度で道から逃げて、安易な私利私欲の生き方を求めるようになる。
・日頃から道を行う者は、異変に動じなくなる。用意周到になり、火事が起きても慌てず騒がず、速やかに対処できる。

(日々の心得)
・誠心誠意、古の書に向き合い、記されている行いを自らも実践すること。記された内容を覚えただけで学問をしたと思い込むなど、恥知らずもいいところ。
・真心の仕事は、後世に必ず認められ、尊ばれる。為した者の誠意を見抜いてくれる者が、必ず現れる。
・まぐれ当たりのチャンスを喜ぶのは、道ではない。ほんの一瞬だけ世間からちやほやされるかもしれないが、やがて忘れられる。常日頃から世の中についてよく考え、自分だけではなく人々の幸福を願って、出来ることは厭わず何でも努力する。そうした日々の積み重ねが、後世語り継がれる真の成功を導く。


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posted by 野尻有希 at 00:37 | TrackBack(0) | 読書論(哲学・現代思想) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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