2013年01月15日

連載『ももクロ、可能性の中心』(7)あーりんのアイドルっぷりは何故イタい感じになるのか?

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行くぜっ!怪盗少女(初回限定盤B)<あーりん盤>
ももいろクローバー
ユニバーサルJ 2010-05-05

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by G-Tools , 2013/01/15



今会えるアイドル、週末ヒロインももいろクローバーZの可能性の中心を探る長期連載シリーズ。第7回はあーりんのアイドルっぷりが何故イタい感じになるのか、その謎を解明する。

ももクロが地上波でMCを努める貴重な番組、NHK教育『青山ワンセグ開発』新年1発目の放送は、あーりんがキャラを爆発させていた。

(ももクロメンバーはみんな友達だというトークの後に)
あーりん:(メンバーに対して)あーりんって呼んでください。
リーダー:それちょっと無理ー。
しおりん:ありん?
あーりん:あーりん!
れに:佐々木?
あーりん:・・・あーりんを佐々木ってゆーな!(微妙な空気になる)
しおりん:ちょっとー! どうしてくれんのよー!

しおりん:今テレビで見ている人もね、孤独な人もいるかもしれないからね。
れに:悲しいー。
リーダー:いるかもね。
あーりん:そんな人いないってー。だって、あーりんがいるもん! みんな孤独じゃないよ。
しおりん:逆に言えばさ、なんか自分、あーりんが孤独、みたいな。(笑)
あーりん:・・・そんなつもりは、ない・・・あーりんにはみんながついてるから、あーりんは孤独じゃないし! みんなも孤独じゃないよ!
れに:・・・気づかない孤独って怖い(笑)。

画像付きのまとめ記事はこちら
【ももクロまとめノフ】『あーりんワンセグ開発』
http://momoclomatome.com/archives/22171329.html


80年代古典的アイドルぶりっこキャラ全開のあーりんに対して、他のメンバーみんながつっこむ展開だった。

さて、あーりんの振る舞いが何故笑いを誘うのか、分析してみよう。

かつてのアイドルは、友達や恋人のいない孤独な若者の心を慰める存在だった。「あーりんにはみんながついてるから、あーりんは孤独じゃないし、みんなも孤独じゃないよ!」というあーりんの言葉は、80年代アイドル的なアイドル観を再現している。あーりんは、古くからあるアイドルの理想像が好きで、アイドルの理想像を再現しようとする。あーりんのキャッチコピーは、「ももクロのアイドル」であり、他のメンバーから「佐々木さんはプロのアイドルだから」、「佐々木プロ」と言われる。

そういうあーりんの姿は、2013年の現代からすれば、滑稽に見える。しおりんからは、「あーりんが孤独」と言われ、れにからは「気づかない孤独って怖い」と言われる。

何故あーりんは、イタくなるのだろうか?

何故あーりんは、他のメンバーからいじられるのだろうか?

何故あーりんは、いじられている姿が、ネットで話題になるのだろうか?

80年代と現代の情報環境の違いが、あーりんを滑稽にさせるのだ。

80年代は、インターネットもSNSもなかった。アイドルファンは、テレビ、雑誌などのマスメディアからだけ、アイドルと通じることができた。ファンクラブなどで交流もできたが、家庭の部屋の中では孤独だった。

現代は、ネットが発達している。あーりんが変な振る舞いをすれば、ネット上でモノノフたちがあーりんについての記事を量産する。ブログに書かれた情報は、ツイッターやフェイスブックで拡散され、記事や記事のリンクが他者のコメントや「いいね!」クリックを誘発し、ファンはファン同士で交流することができる。

整理しよう。

<80年代>
アイドルとファンの1対1関係
相互交流はなくアイドル→ファンの一方通行
<10年代>
アイドルファン同士のN対Nの交流関係
1つの情報に何個も情報が追加され、拡大拡散する

とまとめることができる。

仲間同士で自由に相互交流できる現代において、アイドル対ファンの一方通行の関係を反復しようとするあーりんの行動は、滑稽になる。あーりんは、仲間同士の交流関係から浮いたイタい存在になる。

古きよきアイドルキャラ全開のあーりんは、他のメンバーからすればちょっとイタい存在になる。あーりんは、メンバーの間で孤立し、孤独な人と言われることになる。

そんなあーりんとメンバーの戯れる姿を見て、モノノフたちは心を潤す。あーりんのこてんこてんな振る舞いに懐かしさと尊敬の念を抱くことになる。

ももクロの可能性の中心に迫る旅は、次回に続く。



posted by 野尻有希 at 23:32 | TrackBack(0) | アイドル論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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