2014年06月23日

映画「真夏の方程式」より印象的なシーンの脚本をリバースエンジニアリング

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by G-Tools , 2014/06/23



福山雅治主演、福田靖脚本「ガリレオ」シリーズの映画「真夏の方程式」より、印象的なシーンの脚本をリバースエンジニアリングしました。

○開発説明会及び討論会会場
  湯川(福山雅治)、遅れて到着後。成実(杏)が中川(神保悟志)に質問している。
成実「そもそも玻璃ヶ浦の全ての生物の遺伝子を調べるなんてできるんですか?」
中川「ですから、それはでき得る限りの手段を使ってですね」
成実「そんなできる限りなんて、そんないい加減なこと」
湯川「よくないな。そういう発言はよくない。専門家でさえ深海生物のことは完全に把握していない。できないことはできないと正直に言うべきです」
地元住民「そうよ」
湯川「地下資源を採鉱すれば生物には必ず被害が出ます。人間はそういうことを繰り返して文明を発達させてきました。だが、その恩恵はあなた達も受けてきたはずだ。後は、選択の問題です」

○旅館『緑岩壮』ロビー(夜)
  湯川、新聞を読んでいる。恭平が来る。
恭平「博士は成実ちゃんの敵なんでしょ。海を壊す人達の味方なんでしょ」
湯川「僕は誰の敵でも味方でもない」
恭平「僕は成実ちゃんの味方だよ。いとこだもん」
湯川「実に非論理的な考えだな」
恭平「ひろん? ん?」
湯川「僕の興味は真理を追究することだ。真理というのは人類が正しい道を進むために、この世界がどうなっているのかを教えてくれる地図のようなものだ。その地図を作るのが科学の役割だ」
恭平「科学? 理科のこと? 嫌いなんだよね理科は」

○居酒屋・店内(夜)
  湯川がカウンターで日本酒を飲んでいる。成実が隣に座る。
成実「あれ、どういう意味ですか? 選択の問題だって。すごく無責任な言い方に聞こえたんですけど、私に」
湯川「無責任なのは君達の方だね」
成実「私達ですか?」
湯川「相手の言い分に耳を貸そうとせず、自分達の主張を繰り返すだけだ」
成実「それは向こうだって、湯川さん達だって同じじゃないですか」
湯川「僕は物理学者だ。電磁探査のアドバイザーとして彼らに呼ばれた。コイルを使って、海底の電磁場を測定し分析する。つまり、海底を掘らずに金属資源の分布を調査できる」
成実「環境に優しいっていいたいんですか?」
湯川「同じものを」
店員「はい」
(花火のシーンを挟んで)
成実「でも開発は必ず環境破壊につながるって、湯川さんがおっしゃったんですよ」
湯川「今の日本にとって、資源の問題は避けられない。選択すると言ってもゼロか100を選べと言ってるんじゃない。お互いをよく知って、ベストな選択肢を探す。そのための議論だ。全てを知ったうえで自分の進むべき道を決めるべきだ」
店員「おまっとさん。○○ね」
湯川「ありがとう」
   と、酒を受け取る。
成実「私は手つかずの海を、玻璃ヶ浦の海を守りたいだけです」
   湯川、酒を飲む。

○緑岩荘・湯川の部屋
   薫(吉高由里子)がやってくる。
薫「少年? 湯川さんて子ども苦手じゃないですか?」
湯川「苦手じゃない。嫌いなんだ」
(…)
薫「これで驚くのはまだ早い」
湯川「驚いてない」
(…)
薫「さすがです。私が説明する必要もありませんね」
湯川「帰ってくれ」
(…)
薫「興味ない?」
湯川「明日大事な実験を控えている」
薫「はあ。先生には情ってものがないのかなあ、長いつきあいなのに」
湯川「たいして長くない」
(湯川と薫、双方のキャラがよく出ている印象的なシーン)

○浜辺
  湯川と恭平が実験の準備をしている。
恭平「ねえ博士。これでどうやったら海の底見れるわけ?」
湯川「自分で考えろ」
恭平「わかんないよ」
湯川「わからなくても自分で考えろ。答えを知った時の喜びはより大きくなる」

○調査船・船上
   歩く湯川を記者が追う。
記者「ここの地元新聞の担当の者で、先生ご自身の苦労話など伺えたら」
湯川「苦労話?」
記者「ええ」
湯川「苦労などしておりません。苦労話を集めたいなら、私よりもあなた方の方がふさわしいでしょう」

○調査船・室内
   湯川、機械の点検中に成実がやってくる。
成実「結局、住民の声なんか無視して掘削が始まるんですね」
湯川「この船は調査船だ。掘削用の船じゃない」
成実「海の自然にとっては同じことです。調査も掘削も」
湯川「これはAUV。自律型無人探査機。海底の地形を全てインプットして、海底にぶつかることなく一定の距離を保ちながら移動し調査ができる。つまり、この探査機は、環境を傷つけることがないということだ。説明を聞いてなかったのか?」
成実「私達の勉強が足りないって言うんですか?」
湯川「開発か環境保護か、大事な問題に関わっているんだろう君は。全てを知ったうえで」
成実「自分の進むべき道を決める。でしょ?」
湯川「勉強してもらわないと困る」
成実「はあ。湯川さんと話してると疲れます」
湯川「僕も疲れる」


(所感)
ドラマ作りにおいて、主役のキャラ立ちは非常に大事。ガリレオはキャラが立ちまくっている。そこに科学ミステリー、人情殺人が絡む。どんなに通から通俗的と批判されても、普段本を読まない人が原作を読み、普段あまりドラマを見ない人がドラマを見るのも納得。
posted by 野尻有希 at 23:10 | TrackBack(0) | 映画論(国内) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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