2015年02月10日

NHK教育「SWITCHインタビュー達人達 椎名林檎×西加奈子」より印象的な言葉のまとめ〜西加奈子編

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サラバ! 上
西 加奈子
小学館 2014-10-29

サラバ! 下 九年前の祈り 舞台 満願 怒り(上)

by G-Tools , 2015/02/10



NHK教育「SWITCHインタビュー達人達 椎名林檎×西加奈子」より印象的な言葉のまとめ、西加奈子編。

直木賞受賞作、西加奈子「サラバ!」より、姉の言葉
「あなたも、信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。他の誰かと比べてはだめ。(中略)あなたが信じるものを誰かに決めさせてはいけないわ」

西:「サラバ!」のテーマは、信仰。信じるものを自分で決めようと言う話。美醜、好きな顔、価値観は自分で決めたい。信じるものを自分で決めたい。
椎名:西さんの作品では、小説の最初と最後で人物がみんな変わる。長編でも短編でも。主人公も他の人物も。
西:小説の最初と最後は、「自分の内なる目」みたいなもの、自分がどうやって世界を見ているかという視点を変えるだけで、希望になる。決めているというか、そうなる。自分の気持ち次第やでと伝えたい。

椎名:小説を書く時、まず何が浮かぶ?
西:一番多いのは「場面」が浮かんで、場面を描くために、じゃあどういう話にしようかとさかのぼって考えることが多い。
椎名:ハイライトになる場面が最初に浮かぶことが多い?
西:最初のシーンも多い。ただ「サラバ!」は初めて最初の文字が浮かんだ。「僕はこの世界に左足から登場した」と文字で浮かんだ。


椎名:インタビューで変な質問されることある?
西:小説は出した瞬間から読者のものだと思っている。ただ、全部に理由があると考える人がいる。「これ全部西さんのことですか?」とか「美醜について書くとはそういう出来事があったんですか?」など。全部理由あると考えるのは怖い。

西:自分はすごく普通の生徒だし、普通の人間だった。作家になって初めて、普通のことを疑問に思うようになった。子供の頃、先生に理不尽に怒られても「先生腹立つな」で終わっていた。作家になったからには、そういうことを無視したらいけないなと思った。

西:小説には見えてる文字だけではない、気配みたいなものがある。「これは何故ですかこれは何故ですか」という読み方は、文字しか追っていない。何故気配を信じてくれないんだろうと思う。
椎名:音楽よりも文字の方が自由度が高い。音楽は具体的になる。固定されちゃう。相手の時間も制限しちゃう。小説は読むスピードも自分で決められる。
西:でもそれ逆で、音楽は3分でなさるじゃない? それなんだよね。小説は長いんですね、長いの。自分が人に会って嬉しかった気持ちとか、誰かを好きやっていう気持ちとか、自分が作った結び目で世界を守りたいと思うし、未来作りたいと思うし、それこそ作品で世界を変えたいと思う、滅茶苦茶。それを小説で書こうとしたら、その言葉に行くまでにいろんな回り道をしないといけない。回り道なげえぜ……その間に純度がなくなっていく気がする。回り道を取っ払って伝えたい言葉だけを書いたら、重みとか切実さがなくなっていく。小説を書くのってすごいまどろっこしい作業。音楽を聴くと、5分くらいの曲でこんな変わるんやって滅茶苦茶思う。

西:与えられた既成概念を信じるんじゃなくて、与えられたものでも、バラバラにして、自分で組み立て直したい。社会っていう大きなものがあるとするなら、美しさはこれだよ、正しさはこれだよって預けられているものを本当にそうかなと疑う。美しさ、正しさは自分で決めたい。

西:子供の頃は、兄ちゃんの服をずっとお古で着てた。(「サラバ!」では僕が主人公で、姉がいたけど、実際の西さんはお兄ちゃんがいたみたい)

椎名:自由に行き来できる魂でありたい。普段から、書く時も。男女とか、年齢を。

椎名:創作中にすごく葛藤した時、誰かに依存して、その人との対話で創作が成り立つことはある?
西:特定の人、編集の方とか読者の方ではない。創作の神様みたいな存在がいて、その人と会話できないんだけれど、その人に書くつもりで書いている。創作の神様は、書き終わると消えちゃったりする。
posted by 野尻有希 at 00:15 | TrackBack(0) | 創作技術論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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