2016年02月17日

NHK教育『100分de名著 アドラー「人生の意味の心理学」第2回 自分を苦しめているものの正体』まとめ

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嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
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by G-Tools , 2016/02/17



NHK教育『100分de名著 アドラー「人生の意味の心理学」第2回 自分を苦しめているものの正体』より印象的な箇所のまとめ。

人間のあらゆる営みの背景には、優越感と劣等感が横たわっている。それらは私達をさいなみ、生き辛さの原因になる一方、大きな力にもなりえる。

自分が好きだという人は少ない。自分が好きだと言うと、他人に引かれちゃう。自分を好きだと言ってはいけないと暗に教えられて、自分のことを好きになれない人も多い。

<優越性の追求>
人は常に自分のためになることを追求して生きている、たとえその方法を誤ったとしても。アドラーは、自ら優れた存在になりたいと思っている人間のあり方を「優越性の追求」と呼んだ。
「全ての人を動機づけ、我々が我々の文化をなすあらゆる貢献の源泉は、優越性の追求である。人間の生活の全体は子の活動の太い線にそって、すなわち下から上へ、マイナスからプラスへ、敗北から勝利へと進行する」

優越性の追求と対をなすのが劣等感。
この二つは人間なら誰もが持っているもので、努力や成長への刺激にもなる。
しかし、一旦追求の仕方を誤ると、我々を苦しめるものとなる。

<アドラー診療所ドラマパート>
青年「生まれてから一度も彼女ができたことがないんです」
アドラー「何故彼女ができないのか? 考えたことはある?」
青年「僕は劣等感の塊です。顔もいけてないし」
アドラー「もし君の顔を好きだという女性があらわれたら?」
青年「そんなことないと思うけど、もしそんなことがあったら飛びあがるほどうれしいです」
アドラー「だったら、その外見は劣等性ではなかったということになりますね」
青年「は?」
アドラー「君のいう劣等感はただの思い込みかもしれない。何かが劣っているわけではなく、問題は、顔や肉体について君がどんな価値を与えるかなんだ」

アドラー「身長や年収だって、他者との比較の中で生まれた主観だ。君は本当に彼女が欲しいと思っているのか?」
青年「もちろんです」
アドラー「本当は彼女なんて欲しくないのに、自分で自分をだましているんじゃないのか。180cmあればという可能性の中に生きていたいがために」
青年「僕がまさかそんな。百歩譲ってそうだったとして、じゃあどうすればいいんですか?」
アドラー「とりあえず、ありのままの君ではじめてみることだ。人間であるということは、劣等感を持っているということなんだから」

<ドラマ内容レビュー>
劣等感を持つことには目的がある。

劣等感にさいなまれて、自分を好きになれない人は、そういう自分をあえて選んでいる。
劣等感がなくて自分が好きなら、対人関係の中に入っていかなければならない。

人と関わって傷つくことを恐れている。

誰かと関わるとうまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。

好きと言われたら幸せ。文句を言われる、裏切られる可能性もある。そういう現実を避けた方が望ましい。

事実としてモテていないのはどうしてか?
自分でモテないと思い込んでいるだけかも。
劣等感をわざわざ創り出していると考えると、いろんなことが見えてくる。

<劣等感のよい面>
理想の自分と現実の自分とのギャップを劣等感という。

劣等感をばねにして頑張った人は多い。偉人たちは劣等感をプラスに活かした人。
我々もできないはずはない。
他者との関係ではなく自分の中の問題として劣等感を捉えてみよう。

<劣等コンプレックス>
他者との比較で生じる劣等感や優越感は、劣等コンプレックス。優越コンプレックスという。
健全な劣等感、健全な優越性の追求と区別するために、アドラーはそう名付けた。

劣等コンプレックスを持つ人には、共通の特色がある。
「AであるからBできない」
「AでないからBできない」

「不細工だから彼女ができない」
「赤面症だから男性とつきあえない」

赤面症が原因。
男性とつきあえないが結果。
しかし、その二つの間に本当は因果関係がない。
因果関係があると思いたい。

<見かけの因果律>
劣等コンプレックスとは、見かけの因果律を立てて、自分が取り組まなければならない人生の課題から逃げようとすること。

でも現実モテないことは、しょうがないのでは?

生きることは、思い通りに行かないこと。
モテない現実を受け入れるしかない。

現実に直面しないで、いいわけで止まっている。
顔でモテないと思っている方が楽。
本当は性格の方がモテない原因なら大問題。
そう認めたくないから、軽いレベルの劣等感を持ち出す。
いいわけをしてずっと生きていく人をあえて否定はしない。
けれど生きる喜び、人とのかかわりを味わえない。

悪いことばかり起きるわけではないと一度経験してみる価値はある。
痛いかもしれないけど、想っているほど痛くないかもしれない。

<優越コンプレックス>
自分を実際よりも優れているように見せようとする。
学歴、肩書きを誇示する。
高価なブランド品を持ち歩く。
自分の人生の中で一番輝いていた時代を持ちだして、過去の栄光にすがりつく。
自分の手柄でないのに自分の手柄であるかのように自慢する人。

他者からどう見られているかを非常に気にする。
いつも自分が注目されていると思い込みたい。
他の人はそれほど気にしていないかも。

自分で自分についての理想を高くしようとする。
初めから高いハードルを作ってしまう。
現実的な努力をしていない。
努力をすっ飛ばして、難しいことに挑戦している自分に酔いたい。

<価値低減傾向>
相手の価値をおとしめることで、相対的に自分を優位に立たせようとする。
いじめや差別もこの一種。
相対的に自分を上に位置づけようとする。

<不幸自慢>
不幸自慢も優越コンプレックスの一例。
劣等感を先鋭化させることで、特異な優越性を持とうとしている。
劣等コンプレックスと優越コンプレックスは、正反対のようで実はつながっている。

不幸であることによって特別であろうとする。
その一点で、他の人より優れていることを誇示しようとする。

我々の文化において弱さは、非常に強くて権力がある。
一番わかりやすいのは赤ちゃん。
一番弱いからこそ、常に大人を支配している。

人にかかわらない限り、問題は解決しない。

外に出ていってぶつかることがあるかもしれないけど、その苦しみをあなたは切り抜けていく力がある。

<アドラー診療所ドラマパートの続き>
青年「どうすれば彼女ができるのか具体的に教えてください」
アドラー「君は彼女がいる男とかモテる男に負けていると思っているんだろう。競争や勝ち負けで生きていると、必然的に劣等感が生まれてくる。常に自分と誰かを比べて、あの人には勝った、あの人には負けた、そう考えることになるからな。君は一方で誰かをうらやみ、一方で誰かを見下す。そういう生き方をしているんだ」
青年「だって、男なんて社会に出たらまわりはライバルだらけですよ。そこで勝ち抜いていかないと、生き残れないじゃないですか」
アドラー「あのね、必要以上に自分を大きくみせる必要はないんだよ。普通であることの勇気を持つんだ」

<コンプレックスから抜け出すには>
普通であることの勇気を持つ。

普通は、平凡という意味ではない。
特別によくなろうとしなくていい。
逆に特別悪くなろうとしなくてもいい。
ありのままの自分から始めようという意味。

ライベルや盟友を持つことは、それ自体では問題ではない。
ライバルの存在は自分の励みになる。でもライバルと競争する必要はない。
優れたライバルと違うのは仕方ない。

上を目指すのではなく、平面を歩いているイメージ。
歩く位置、歩く速度も違う。
それは違いであって、優っている、劣っているということではない。

劣等感は、理想の自分との比較で生まれて来るものであれば、上ではなく、前を向いて歩く時の力になる。

人々は、それぞれ自分の理想に向かって、一歩一歩歩いているイメージを持つ。

次回は対人関係の極意。
大切なのは、他者と自分の課題をわけること。
posted by 野尻有希 at 22:38 | TrackBack(0) | TV論(ドキュメンタリー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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