2016年05月06日

春アニメおすすめ作品レビュー〜甲鉄城のカバネリといつもけだるげな田中くんの狭間で

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甲鉄城のカバネリ 1(完全生産限定版) [Blu-ray]
江原康之
アニプレックス 2016-06-22

by G-Tools , 2016/05/06



春のアニメおすすめ作品レビュー。おすすめ順に掲載。

「甲鉄城のカバネリ」(フジ系)
オリジナル作品。「進撃の巨人」の荒木哲郎監督でキャラクター原案に美樹本晴彦。和風サイバーパンク+ゾンビもの+進撃の巨人。いろいろ既視感があるけど、ハイクオリティー。おいしいとこ取りの組み合わせ。特に今週放送の4話のアクションシーンは、挿入歌といい、『進撃の巨人』っぽかったけどフジテレビのドラマに比べたら圧倒的なハイクオリティー。こんなアニメーションを地上波テレビで放送しているのは日本だけ。日本アニメーションの現在を語る上でリアルタイムで見なきゃ。

「宇宙パトロールルル子」(東京MX他)
「キルラキル」の今石洋之監督作品。10分間のアニメながら、毎回ぶっ飛んでいる。この監督独特の味わい。昭和中期のノスタルジーに現代的シュール展開が加わる。「キルラキル」が好きだった人はおさえておきたい。

「田中くんはいつもけだるげ」(東京MX他)
やる気のない主人公。CMが面白かったから見始めたら、本編も面白かった。現代日本の縮図的物語。まったりした日常が好きな主人公だけど、まったりした日常ものにはならない。平穏を求める田中くんの平穏を乱す出来事が次々起きるので、ドラマが生まれる。田中くんを支える大田みたいな知り合いが欲しい。

田中くんは、マンガやアニメの主人公になりたくないと言う。過酷な状況が次々舞い込んでくるからだ。カバネリの主人公の過酷すぎる状況を見ると、僕も田中くんに同意。

「マクロスΔ(デルタ)」(東京MX他)
マクロスの新シリーズ。ヒロインの方言が気になるし、アイドルが複数になった影響で、各登場人物の焦点がぼやけた感がある。フロンティアみたく主人公パイロット、新アイドル、アイドルグループのリーダーの三角関係かと思いきや、主人公パイロット、新アイドル、主人公の先輩の三角関係になるみたい。これは初代マクロスと同じ三角関係。いろいろ文句を言いたくなるけど、作画がきれいすぎるし、歌がよすぎる。毎回のクライマックスで流れる歌が素晴らしいから、全て救済される。音楽が菅野よう子さんではないのに相変わらず素晴らしい。いつ作画が崩壊するのか気になる。

「坂本ですが?」(TBS系)
1話を見た時は、連続ドラマ維持できるか不安だったけれど、2話以降も面白かった。キャラクター設定だけで勝利したような作品だけど、毎回のドラマ作りもいい。原作もいいけど、声優含めてアニメ製作スタッフがいい。

「ふらいんぐうぃっち」(日テレ系)
八頭身のキャラクターでほのぼの系は新しい。「田中くんはいつもけだるげ」は、まったりしたい主人公の日常をかき乱す展開だけれど、こちらはまったりした主人公がまったりしたまま物語が進む。始終ほのぼのしており、癒される。主人公や魔法使いたちのぶっ飛んだ行動によって、田舎の人々が惑わされる構成か。

「夏目友人帳シリーズセレクション」(テレビ東京系)
過去シリーズのベスト選。今のところ1期だけからしか選ばれていないから、2期や3期からどれくらい選ばれるか不安だけど、シリーズのファンとしては嬉しい。毎回人情もの、涙腺刺激。白泉社クオリティー。

「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」(東京MX他)
筋肉ムキムキだし、女性キャラが少ないし、二十年以上興味なかったけれど、「ジョジョを知らないのは人生損してる」と友達に言われて見ることにした。最初は展開が黄金時代のジャンプ風で古いなと思ったけれど、だんだんはまってきた。

「文豪ストレイドッグス」(東京MX他)
1話はすばらしかった。最近は他の作品に負けてる感あり。「スタードライバー」の監督・脚本コンビだし、ノリ全体好きだけど、他の作品が秀作揃いなのでこの位置。

「キズナイーバー」(東京MX他)
「宇宙パトロールルル子」と同じTRIGGERの製作。脚本・シリーズ構成岡本磨里。戦争を抑止して平和な社会を作るためには人の痛みを知ることが必要だと、倫理哲学的なテーマを持つ。テーマも作画も高品質だけど、脚本が2話以降停滞気味か。

「クロムクロ」(東京MX他)
P.A.WORKSの作画クオリティーは、京都アニメーションを凌駕していると思っている。P.A.WORKSの作画クオリティーでロボットSFをやるとこうなるという作品。作画がとにかくきれい。こちらも脚本の影響で、この位置。

「ニンジャスレイヤー フロムアニメーション」
これまたTRIGGERの製作。TRIGGERは今期3作放送。巨大化したのだろうか。1話が強烈に意味不明だった。2話で普通のアニメっぽくなった。3話以降も謎の展開。わかりやすい作品、既視感の多い作品が多い中、前衛性が心地いい。こんな意味不明な作品でも放送していいんだと勇気をもらえる。前衛ものは、文学でもアニメでもエロ要素が欠かせない。エロ要素がツイッターで度々話題になっている。

「Re:ゼロから始める異世界生活」
ループものネット小説のアニメ化。いいんだけど、やっぱり今期豊作すぎる影響でこの位置。ラノベ原作のアニメは3か月面白さが続かないと思っている。3話までで原作1巻に当たるエピソードが終わると、4話以降つまらなくなる経験を何度もしたからだ。けれど、この作品は4話目以降も面白い。

「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」
第2期。ちょっとでも油断すると話が全くわからなくなる詰め込み過ぎ脚本だけど、社会派ストーリーで面白い。2期はいろんな有名脚本家が参加。別の脚本家の回だと、普通のアニメみたくわかりやすい展開になることがわかった。するとまた詰め込み過ぎ脚本が恋しくなるアンビバレンス。

「ハイスクール・フリート」(東京MX他)
海軍版「ガールズ&パンツァー」。艦これとかぶっているけど、ガルパン寄りの作品。放送終了後ブレイクするかもと思い、義務的に見ている。

「迷家 マヨイガ」(TBS系)
水島努監督、岡田磨里脚本、WOWOWとTBSの2系列放送で放送前は話題だったけれど、これまた今期豊作の影響でこの位置。まず登場人物が多すぎる。そして脚本に乗れない。

(総評)
今期はここ数年で久々の豊作。前期「おそ松さん」に魅了された影響で、義務的に見ていたアニメに対する情熱が再燃した影響あるかもしれないけど、豊作。

「甲鉄城のカバネリ」と「田中くんはいつもけだるげ」が、ハードとソフトの両極。その間に様々なアニメがきらめいている状況。
posted by 野尻有希 at 23:06 | TrackBack(0) | マンガ・アニメ論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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