2016年08月07日

NHK教育「SWITCHインタビュー達人達 杉良太郎×上山博康」印象的な言葉のまとめ

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杉 良太郎
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by G-Tools , 2016/08/07



NHK教育「SWITCHインタビュー達人達 杉良太郎(俳優・歌手)×上山博康(脳神経外科医)」より、印象的な言葉をピックアップ。

杉良太郎は福祉活動歴57年。長年、杉の行動は売名行為と叩かれてきた。熊本の支援でも、「1億2800万人、900万人、全員売名してほしい」と訴えた。この発言は話題を呼び、ネットでも人気沸騰、時の人になっている。

<番組後半より。刑務所にて、上山が杉にインタビュー>
上山:どうして若い頃から刑務所関係に関心を持たれているのか?
杉:きっかけは、神戸で歌を習っていた先生が盲人で、僕らには点字で歌を教えてもらっていた。ある日、先生が慰問に行こうと言った、自分が慰問される側なのに。刑務所で中学三年の時に歌を歌った。受刑者は歌に対して拍手をし、泣いた。普通は泣かない。怖い顔をした人達が泣いた、拍手した。気がついたら7か所行っていた。やろうとか、また歌おうとか、行くぞとか、そういうのはない。すうっと入っていった。
上山:何故そこまで慰問活動できるのか? 裏切られたこともあるのでは?
杉:人は裏切る。自分が有効だと思うことをやってくれない。

上山:杉さんは今時珍しい人。
杉:今の世の中、自分のことばかり考えて生きている人の間で、自分のことを考えないで人のことを考えているなんて、そんなことを言っても相手が理解できない。だからもう黙っている。ただの妄想人。「こうすれば喜んでくれるかなと勝手に思ってやっているんです」と言うしかない。そんなに珍しいと思う方がおかしいと思う。

上山:芸能界の絶頂期に何故人気番組を辞めたのか?
杉:金はいらないよというくらい入ってくる。お金で困ってたやつが急にお金がどんどん入ってくる。人気が絶好調になった時のはかりは視聴率。2つの番組が同時に25%をとった。その時辞めようと思った。
上山:何故? そこがわからない。
杉:家に新車が3台置いてあった。体は1つだから1台しか動かない。車を眺めていて、俺はこんな腐った人間になってしまったのかと思った。人気は人間をだめにする。テレビをやめたらやっていけるのか。1年間考えて、自分から人気を捨てた。
上山:「人間座って半畳、寝て1畳」ということわざがある。このことわざには、続きがある。「国をとっても2合半」ようするに、天下をとっても飯は2合半しか食えない。杉さんは、自分の内なるものを大事にして生きたからそうなのかなと思った。ある意味わがままかもしれない。
杉:わがままは僕の中にない。わがままという性格があってほしかった。ずっと耐えて耐えて生きてきた。耐えなければ、福祉やボランティアは疲れちゃって無理。耐える自分を鍛えたかった面もある。福祉はそんな簡単じゃないから。カレーを差し出しても嫌な顔して取る人いる。「被災者はみんな気持ちよく受け取ったでしょ」じゃないから。帰りはみんな打ちひしがれて声も出ない。大変だったなって

上山:杉さんは海外で養子をたくさんもらっている。
杉:国によって孤児になる原因は違う。例えばベトナムだったら母親がエイズになったり、父親が刑務所に入ったり。どちらにしても子供に罪はない。デパートでチョコレートやお菓子を買って喜ぶだろうと思って持って行ったら、チョコレートを手にしても食べずにいる。どうしたんだと聞いたら「お父さんお母さんが欲しい」と子供達が言い出した。その時、僕は言葉がなくなった。自分に何ができるか。世の中は不公平で、その時、自分が父親になろうと。養子は百人になった。

杉:福祉活動やりながら人生教えられた。短い時間の中で何ができるか。好きでやってるんだろうとか、趣味だろうとか、「あんたしょうがないよ。そういうふうに生まれてるんだから」とか人はいろんなこと言う。僕にとってそれは全部当たっているのかもしれない。全部外れているのかもしれない。答えを見つけようともしないし、必要もない。


<番組前半より。病院にて、杉が上山にインタビュー>
上山:医者は子供の時から成績がいい、偏差値高いエリート、いい家庭に生まれて、大学に入って、悪意のないところで温室育ち。人間が本当の弱みを見せる病気に向かっている時、どこか高みの見物だし、高所からものを言っている。しかし医者は、自分のスタンディングポジションがいかに脆弱で、おかしいポジションだったか気がつかないといけない。人間を知らなくていい仕事ができるわけない。どんなことを感じているのか、人の人生って。

上山:(人生の転機)私のミスで死んでしまって、手術が終わった後、言い逃れしようと思っていた。どうやったらこのピンチを切り抜けられるか、そればかり考えていた時、人生で一生ついて行こうと思っていた先生から「患者は命懸けで医者を信用して、手術台にのぼるんだ。お前はそれになんて答えるのか」と言われて、答えがなかった、患者は命をかけて医者を信用するんだよと言われて、私は泣きながら土下座した。あの症例を契機に医者としての生き方を変えた。

杉:自分が危機的な状況になった時、人間がすがるのはまず神様。2番目はお医者様。神様だったら失敗しない。医者は神様の次だから失敗はある。手術できない箇所もありますよね。
上山:僕の師匠があるとき、「医者は時として神を演じなければいけないんだよ」といった。患者は医者に頼るしかない。闘病というけど、患者が闘うのは減塩食を食べるとか散歩するとか消極的な闘い。病巣に対して戦う武器がない。我々は戦う武器を持っている。俺達があきらめたら誰が戦うんだという心境がある。だからどんなことがあってもあきらめない。
杉:奇跡ってある?
上山:奇跡はたくさん見せてもらった。
杉:奇跡はどんな時起きる?
上山:あきらめないこと。常に。駄目だなと思った瞬間、奇跡は消える。「これをやるしかない、この人が助かるためにはこの一点突破しかない」と思ってやって、奇跡が起きたことはたくさんある。
杉:失敗が許されない職業、ごめんなさいが効かない職業についている人は、プレッシャーがある。
上山:僕はまだ100点満点の手術したことがない。杉さんも舞台で100点出してないと思う。他の人は拍手喝采でも、自分自身はあそことあそこに問題があったと思う。だから続けられる。
杉:100点満点出てないのはすばらしい。
上山:それだけ人間は失敗する。100点満点の手術は一度もない。神様ありがとう、ラッキーだったというのはいっぱいある。
杉:100点満点出てないということは、相当まだ先がある。
上山:100点出さずに朽ち果てるかも。
杉:役者は役になる者と書く。自分を捨てて、役になりきって、言葉悪いけど狂う。自分じゃなくなる。1回狂えた。だから、僕は舞台をやめた。「人気はいらない」と思うとやめちゃう。
上山:杉さんは人気商売なのに人気いらないって、道を求めているのかもしれない。
杉:家が貧乏だから、親孝行しようと思って入っただけ。テレビが嫌いで、歌番組なんてほとんど出ない。命は限りがある。短い人生で建前を使って生きていくほど暇じゃない。本音を言って早くなんでも解決したい。本音を言うと嫌われる。芸能界一嫌われていると思う。

杉:どういうところを後輩は見ている? 手術方法、手術に入る前の判断、度胸は教えにくい。
上山;心構えは各自の人生観と照らし合わせて、勝手に育って行かなきゃ無理。技術は教えられる。杉さん達のやっている芸の世界も、その人の芸であって、同じものまねではない。伝統は時流にあわせて自分なりに取りこんで、今の世の中に合う形でアダプトさせていくことが、本当の伝統だと思う。
杉:上山さんが危なくなったら誰にやってもらう?
上山:弟子にやってもらう。弟子にやってもらって大丈夫かと聞かれるけれど、それで治らなかったら僕の教育もそこまで。自業自得。
杉:人間を育てるのは一番難しい。上山先生の世界は後輩が育っている。
上山:医療は科学、正しい手術は最初否定されても、後々残ってくる、杉さんの世界は絶対値がない。正しいとか間違っているとかない。
杉:プロから見ればわかるけど。
上山:でも感性の世界。
杉:芸能界はわけわからないけどキャーキャー言われて人気出る人がいる。ですから、上山先生の仕事と僕らとはまるで違うと感じる。
posted by 野尻有希 at 10:42 | TrackBack(0) | 創作技術論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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