2016年08月08日

ライブ初体験記:ハロコン2016夏(Hello!Project 2016 SUMMER 〜 Sunshine Parade 〜)絶望と祝祭の間

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by G-Tools , 2016/08/09



『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』を見て、松岡茉優のモーニング娘。に対する愛情に感染してしまった僕は、それまで全く興味のなかったモー娘。のCDを借りまくり、ライブを見まくった。ハロプロカウントダウンライブを見たら、℃-ute(キュート)のファンにもなった。AKBやももクロのファンだった昔、ライブを見に行こうとは思わなかったけれど、ダンス、歌、ルックス、経験全てにおいて完成度の高い℃-uteのライブはいつか見に行きたいと思っていた。

先週末、住んでいる場所で夏祭りがあった。和太鼓と沖縄エイサーと阿波踊りのコンボで大騒音に包まれるので、毎年祭りの日は、荻窪の健康ランドか中野サンプラザ地下のネットカフェに逃げていた。今年も中野サンプラザのネットカフェに行こうと思っていたら、祭りの当日、中野サンプラザでハロープロジェクトのコンサートツアーがあるとわかった。ネットで検索してみたら、開催まで1週間を切ったのにまだ空席があった。1週間前で空席があるなんてハロプロはやばいんじゃないかと思いつつ、予約をしてみた。

リアルな友人にハロコンに行くことを伝えたら、蔑んだ視線を向けられた。℃-uteのファンだといったら、そこまで行ってしまったかといわれてしまった。そういう彼はももクロのファンである。ももクロのファンにディスられるいわれはないと思いつつも、僕は現在の℃-uteがいかに熟練の極致にあるかを語った。しかし、彼には理解されなかった。隠れキリシタンのような気持ちで、ハロコンに向かうことになってしまった。

事前にネットで検索したら、望遠鏡とペンライトを持って行った方がいいとあったので、アマゾンで注文した望遠鏡とペンライトを持っていった。開演50分前に会場に入る。グッズ購入は順番待ちの列ができていたけれど、ライブ入場は待たずに入れた。

50分前に会場に来たのは、事前に何かグッズを買おうと思っていたからである。Juice=Juiceの握手会の案内は時間がないからスルーして、グッズ売り場に向かうと、DVDやメンバー生写真などが売られていた。一通り見てみたけれど、どうしても買いたいと思うものがなかったので、結局何も買わなかった。

僕の座席は2階のファミリー席である。1階は一般席、立ち見である。2階はファミリー席、立つこと禁止になっている。小さい子供でもライブを楽しめるようにとの配慮だったが、僕の見た限り、家族連れの客はいなかった。男一人ぼっち客が全体の6割以上。あとは男同士の友人や女同士の友人客。男女で見にきている変わり者がごくわずかいるだけで、子連れ家族の姿は見当たらなかった。

普段街中で見かけないファッションの人が多い。メンバーの応援Tシャツを着ている人もたくさんいる。年配の男性ファンが多い。この世の果てに来た気分になった。

開演40分前に着席した。隣は太っているファンの方で、ライブ中ずっと体臭が気になった。

18時30分にライブが始まる。何十人もいるハロプロ所属のアイドル達がステージに立つ。1階の観客席通路にもアイドルが歩いている。開始早々、モー娘。の生田がバク転を披露した。生のバク転にテンションが上がった。

中野サンプラザだとステージまでそこまで遠くないし、大型液晶画面がステージ奥に置かれているし、他に望遠鏡を使っている人を見かけなかったしで、望遠鏡は一度も使わなかった。せっかく買ったペンライトも一度も使わなかった。1階席で立っている人は、7割近くサイリウムを振っているように見えた。二階席も半分近くはサイリウムを持っていたけれど、座っているせいか、熱心にサイリウムを振っている人はいなかった。最初からサイリウムをふっていないと、途中から出しにくい。タイミングが重要である。

2階席は拍手も声援も小さかった。立ちっぱなしでライブを見るのは疲れるし、たいして楽しくもないのに大きな声を出すのも嫌だったので、座りっぱなしのファミリー席にしたけれど、座っただけでここまで雰囲気が違うのかと思った。立って激しく声援するタイプでもないので、ジャズやクラシックのコンサートみたく座ってポップスを楽しめるファミリー席を次も予約するけれど。

ハロプロ研修生、つばきファクトリー、こぶしファクトリー、カントリー・ガールズと若いグループの演技が続く。コンサートが始まったばかりで、僕はまだ緊張している。アラフォー独身でハロプロのコンサートにくるなんて、僕の人生はいよいよ終わってしまったのではないかという悲嘆が自分の体を包んでいる。

Juice=Juiceを見て、いいパフォーマンスするなと思った。アンジュルムも迫力あるなと思った。モーニング娘。のダンスパフォーマンスを見たら、現代アート的なダンスの美しさに圧倒された。モーニング娘。はアイドルという枠を超えたパフォーマンス集団である。芸術的に統制されたダンスを生で見たら、儀礼ではない感嘆の拍手が出た。11人いる現在のメンバーは数多すぎじゃないかと思っていたけど、11人の動きがきれいに揃うと美しい。

続いて、℃-uteが登場。「Summer Wind」を歌う。生の矢島舞美は超絶美人でオーラが違う。鈴木愛理ののびやかな歌唱を聞いて、ライブ来てよかったなという思いが強まった。

グループシャッフルという、他のグループの歌を歌うコーナーでは、アンジュルムがこぶしファクトリーの「チョット愚直に! 猪突猛進」を歌った。パンチのきいたシャウトの楽曲が、アンジュルムによく似合っていた。グループシャッフルの最後では、℃-uteがモーニング娘。の「サマーナイトタウン」を歌った。初期モー娘。の中でも個人的に好きな歌だ。最近のモー娘。のセットリストにはない曲で嬉しかったし、℃-uteの「サマーナイトタウン」を聞けただけでも、ハロコンに来た甲斐があった。

ライブ後半もアンジュルムがよかった。「大器晩成」「次々続々」、会場全体が盛り上がる歌だ。アンジュルムで盛り上がった後、そのテンションが続いていけばいいけれど、ファンが少ないグループに変わると、会場全体のテンションも下がってしまう。盛り上がった後に盛り下がる構成はもったいない。

ライブの個人的ハイライトは、モーニング娘。の「シャボン玉」だった。ふくちゃんのシャウトがすばらしいし、まーちゃんの憑依したような歌唱もすばらしい。他のメンバーも気合い入りまくりでシャウトする。歌い方がこぶしファクトリーとかぶってしまうけれど、道重、鞘使が卒業した後、エース不在と言われるモーニング娘。の実力を見せつけられた。写真集が売り切れていた12期生の牧野真莉愛が液晶画面でアップになると「まりあ」コールが起きる。13期生も成長してきたし、第二期暗黒時代とも言われる今のモーニング娘。を応援したい気持ちが強くなった。

「シャボン玉」の次は、℃-ute。「嵐を起こすんだ Exciting Fight!」。アップテンポのハードロック曲。ダンスは相変わらずキレッキレ。岡井千聖はのど悪いのにハスキーボイスでシャウトして大丈夫だろうか、ももクロの有安みたくアイドルでハスキーボイスは喉壊すのかなと不安になったけれど、個人的に岡井ちゃんのハスキーボイスは好きなので、これからも喉の調子を保ちつつ、歌い続けてほしい。

ライブの最後は、全員でモー娘。「泡沫サタデーナイト!」。これまたライブ映えする曲。アンコールはなかった。個人的にもっと℃-uteやモー娘。EDM時代の曲を聞きたかったけれど、土日で昼夜連続公演だし、会場もアンコールを求める雰囲気ではなかったので、すぐ帰った。

会場から出口に向かう時は、テンションが上がっている。みんなライブの興奮を共有したんだ、あのキレッキレのダンスと生歌のパフォーマンスに触れたんだと思うと、観客全員仲間に思えてきた。自分は人生の墓場に来てしまったというライブ開始前にあった絶望感は消えていた。夜寝る前にはBuono!の武道館のチケットを落札し、ハロプロのファンクラブ会員に申し込んだのだった。

ライブの次の日の月曜日には、別の絶望が待っていた。まったく仕事が楽しくない。頭がつかれる、興奮にかける。ライブ開始前の自分の心理状況はこんなだったなあと思い出されてきた。

ライブ中あまりに祝祭すぎた。日常は暗く冷たく絶望的だ。こんなに日常はつまらないものだったのか。

仕事が終わって帰宅する途中、セブンイレブンに立ち寄って、Buono!の武道館ライブのチケットを入手した。次のライブまで憂鬱と絶望が続くのだろうか。ライブ中の祝祭的感覚を毎日永続化させる方法があればいいのに、仕事中もずっとあの祝祭的感覚を持続できたらいいのに。そのためには何をすればいいのか。

日常を祝祭に変えるための模索は続く。まず祝祭としての小説をいい加減書き始めよう。小説を書き、読む時、ハロコンと同じ祝祭的解放感を永続的にもらえるだろうから。
posted by 野尻有希 at 23:49 | TrackBack(0) | アイドル論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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