2016年09月26日

ライブレポ:モーニング娘。’16コンサートツアー秋〜MY VISION〜@ハーモニーホール座間

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モーニング娘。’15 石田亜佑美 佐藤優樹 工藤遥 小田さくら 尾形春水 野中美希 牧野真莉愛
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by G-Tools , 2016/09/26




モーニング娘。’16 (ワンシックス)の秋ツアーに行ってきた。場所はハーモニーホール座間。新宿から小田急で40分ほど。駅前で工藤遥のメンバーTシャツを着たファンの女性を目撃。他にもハロオタっぽい雰囲気の人がちらほらいる。座間の駅前にランチスポットは少ない。駅前の小田急OXに向かい、大戸屋に入る。お昼時、20分待ちで、店に入ってからも15分ほど待たされた。ドリンクバーがあるせいか、スタッフが不足しているせいか、客の回転率が悪い。ハーモニーホール座間に行ったら、サイゼリヤと大戸屋は避けて、日高屋かロッテリアか、駅近のすき屋に入った方がいい。

食後、バス停で路線バスを待つ。ホールまで駅前から徒歩18分、バスなら3分でいける。並んでいる人の中にも、明らかなハロオタがいる。会話と服装ですぐハロオタだとわかる。会場付近のバス停に着いたら、歩いてホールに向かう。開演40分前に着いた。ホール前に巨大看板などは置いていない。ファンがたくさんたむろしている。簡易荷物チェックとチケット確認を経て、会場内へ。まず長蛇の列ができている物販売り場に向かう。

メンバーの生写真など会場限定グッズを確認。どちらかというと℃-uteファンだし、欲しいものはなかった。2階のファミリー席に向かう。武道館や中野に比べてクッション性豊かなシートで、幅も広く、座り心地がよかった。近くに父親と小さな娘のファミリー客がいた。前の方には、母親と小さな娘のファミリー客もいる。中野や武道館のコンサートでは、ファミリー席に家族連れなんていなかった。座間だし、日曜昼だし、19年の歴史を持つモー娘。だからファミリー客がいるのかと思う。

家族連れの近くで、一人孤独に座っていると、太宰治的な自己憐憫の感情に包まれた。自分は小説も書かず、一人でまたモー娘。のコンサートなんかに来て、一体何をしているんだ。小さな娘を連れて来ている大人もいるんだぞ、自分は道を誤ったんじゃないか、なんて暗い気持ちに包まれていると、父と娘の会話が聞こえてきた。

「つばきファクトリーは最近メンバー3人増えたんだぞ、アンジェルムは1人だ。こっちのグループもそろそろメンバー増えそうだな」なんてお父さんが楽しげに話している。娘も興味なさげな雰囲気ではない。めっちゃハロオタの話題じゃないか、リア充ハロオタかと思う。

「℃-ute解散するって知ってた?」
「え? 解散するの?」娘が驚く。
「みんな24歳とか歳いってるからね」
「ふーん」
「ま、実際はそんな歳いってるわけじゃないんだけどね」
「℃-uteって人気ないの?」
「人気あるよ。愛理歌うまいから、愛理ファン多いよね」
「そうなんだ」

僕も愛理ファンですよ、年齢が25歳に達するとみんな引退するんですよね、あと最年少メンバーが20歳で、新メンバー加入拒否だと解散するしかないんじゃないですかね、とつい僕まで言いたくなる。その後も父と娘はディープなハロオタトークを繰り広げた。娘が公式グッズのペンライトを取り出すと、「もう鈴木はいないから緑使わなくていいよね」と父に確認する。

「さくらはラベンダーで野中は紫なんだけど、このペンライト、二人の色が逆だぞ」と父。
「え? 本当に?」と娘がいうと、父が実際に色を切り替えてみせる。
「ほら、間違ってるだろ。こっちさくらでこっち野中」
「わっかんないよ」

楽しそうな親子だった。開演時間が近づく。ペンライトを鞄から取り出す。既に周囲は全員ライトをつけていたが、僕はスイッチを入れずにひざの上に置いた。ライトを振ると、ライブとの一体感が増すが、疲れる。振りたくなる気分になるまで、スイッチを入れないことにした。オープニング曲は「The Vision」、2曲目は「Tokyoという片隅」。

直近のシングル曲が続く。3曲目に「ブレインストーミング」。EDM期の曲がきてテンションがあがる。さくらのゴスペルチックな歌声が体に響いてきて嬉しくなる。短いMCの後は、プラチナ期のシングルB面曲「秋麗」が歌われた。プラチナ期の曲の中でも「秋麗」はソウル色が強く好きな曲だった。まさかコンサートで聴けるとは思っていなかったので嬉しかった。

セットリストには「君の代わりは居やしない」、「愛の軍団」、「Password is 0」、「わがまま 気のまま 愛のジョーク」、「What is LOVE?」などEDM期の曲が多く、生のフォーメーションダンスを楽しめた。アイドル離れしたふくちゃんのシャウトは力強く、だーいしのダンスはキレッキレ、つんく♂の曲は変態的、まりあなど12期生は実力を増しており、道重と鞘使の喪失を感じさせないライブ・パフォーマンスだった。センターが誰か固定されていないのも、今のモー娘。のいいところ。サッカーで表現するなら、重厚な中盤が二列目から何回も変則的に飛び出してくるプレイスタイルである。癖のあるチームに成長した。

MCはハロプロの伝統芸、℃-uteのMCも面白いけれど、モー娘。のMCはさらに面白かった。工藤、ふくちゃん、生田の3人MCコーナーでは、工藤がカンペに書いた言葉の中から一つを選んで、言葉にあった表情を即興で作るというゲームが行われた。「え? またフォアグラ?」という言葉にあわせて、リッチな家庭の出身と噂されるふくちゃんが表情を作る。「る!」という言葉にあわせて、生田が表情を作る。生田は代表曲「One・Two・Three」の「あ・い・し・て・る」の「る」を担当している。「る」のセクシー決め顔で会場が湧いた。完全に内輪ネタだけど、他のメンバーも「る」の決め顔を作ったり、ファンには受ける。乗ってきた生田は、「芦田愛菜だよ!」のモノマネも披露した。

まりあと石田のMCコーナーでは、まりが石田に最近の悩みを相談した。「よかれと思ってやったことが、人に喜ばれないことが多いんです」というまりあ。まりあ最近そういうの多いよね、でも自分でそれに気づいたってことは、まだまだ成長できる証だよと石田がいって笑いを誘う。たとえば、今日まりあは、会場グッズのガチャを引いて、野中の生写真が当たったという。まりあは野中に生写真を渡した。野中は「大丈夫だよ」といって、受け取らなかった。「どんな気持ちで野中本人に生写真渡したの?」と石田が質問する。会場から「いらねえから」とヤジが飛ぶ。違う違うとまりあが慌てて否定する。

まりあは、野中が喜んでくれると思って生写真を渡したそうだ。野中本人が生写真を持っていても、家族や親戚は持っていないかもしれないし、野中が親戚に生写真を渡したら、親戚はきっと喜んでくれるだろうと思って、生写真を渡したんですとまりあが説明する。だったらそれちゃんと伝えないと、ただいらないからまりあちゃん写真くれたんだなって思われちゃうよと石田がつっこむ。

「私、石田さんの生写真持ってるんです、今日こう言われなかったら、石田さんに生写真あげてるとこでした」とまりあがいう。「ちょっとまって、その生写真今どこにあるの?」と石田。「棚に飾ってあります」「棚のどこらへん? ちゃんと私の顔見えてる?」「今は見えてます」「『今は』って・・・」「いろいろ棚に置いてたものなくなったから、見えるようになったんです」「もうすぐ私にあげようとしてたんでしょ。本当はいらなかったんでしょ」「あげたら石田さんが喜ぶかなって思って」「もういいよ。私の写真いらないってことでしょ」。天然キャラのまりあとツッコミキャラの石田の個性が活きたMCだった。

工藤は相手の行動を否定するネガティブ発言が多いし、石田も厳しいことよくいうなと思っており、二人に悪い印象があった。ライブで印象は変わった。短髪でハスキーボイスで、決めポーズもしっかり作れる、宝塚男役っぽい工藤は、モー娘。に必要なメンバーだ。石田の厳しく突っ込むキャラは、天然ボケの多いハロプロでは貴重だ。ライブに行って二人のファンになった。

アンコール前の最後の曲は、EDM期のバラード曲「Be Alive」。

「君を守る
星を守る
今日を生きる
明日に繋ぐ
いつか争うことない
優しき時代が
この世界中 包み込む」

アイドルなのに世界平和を願う歌詞が、ステージ奥の大画面に表示される。つんく♂らしい曲だ。つんくが声の病気になって、総合プロデューサーを外れてから、つんく♂以外の作曲者の曲が増えて、ライブなどでもつんく♂の曲は敬遠されていた。ハロプロはつんく♂から遠ざかっていくのかなと思っていたけれど、今回のツアータイトル曲「The Vision」はつんく♂ の曲だし、つんく♂回帰が成された。

アンコール1曲目は11月発売のニューシングル「そうじゃない」。つんく♂の曲だ。つんく♂だから一発で覚えにくいメロディーだけど、繰り返し聞けば耳から離れなくなる変態的中毒性を持っているだろう、多分。センターは牧野真莉愛だった。背が高くて、正統派アイドル顔。まりあがセンターだと華がある。もちろんまりあ以外のメンバーの歌割りも多く、複数メンバーが中盤からどんどん飛び出してくるモー娘。のプレイスタイルは変わらない。将来に期待が持てた。

最後は「One・Two・Three」。EDM期ではもっといい曲たくさんあるのに、何故事務所はこの曲を推しているのか、不満があったけど、いざライブで最後に聞くと、いい曲だと思えた。生田の「る!」も決まっていた。

ライブ前はあった太宰治的自己憐憫の感情はなかった。パワーをもらった。ライブが終われば、周囲の人は同じ時間を共有した仲間だ。ファミリー席に来ていた女の子は、ハロプロエリートとして成長していくだろう。親子は帰りの電車でもハロオタトークを繰り広げるだろう。

まりあがセンターだったね、まあ背が高いから見栄えいいけど、などみんなまりあについて話しつつ、駅に向かって歩いていく。すれ違うリア充風の男女からは、「オタクがいっぱいきた」などといわれた。そういう彼らも夜のライブに向かう途中のハロオタかもしれない。

2週間後には、℃-uteの秋ツアーでまた座間にくる。℃-uteのニューシングルもつんく♂作曲なら嬉しいなと思いつつ、ハロプロの魔術的魅力に共振する小説を書こうと決意した帰り道だった。
posted by 野尻有希 at 22:48 | TrackBack(0) | アイドル論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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