2016年12月12日

ゾルタクスゼイアンの卵子 被験体3の場合

イスタンブール、カイロとテロが続いている。テロを起こす人がいる一方で、人工知能を開発する人もいる。人工知能はテロを解決してくれるだろうか、戦争を抑止してくれるだろうか、暴力と憎しみの連鎖を断ってくれるだろうか。人工知能は、人類が解決できなかった問題を解いてくれるかもしれない。

人工知能に社会問題の全てをゆだねるのは危険だという人もいる。知能を持った人工知能はやがて、人工知能の反論者も論破していくだろう。優れた知能は劣った知能を駆逐する。知能だけでは問題は解決しないと、二十世紀の人類は気づいた。ならば人工知能は、政治や感情や人類の愚かさもコントロールする知能を持つだろう。

人類と人工知能は共存していくしかない。牛や豚や鳥が家畜になって人類と共存する道を選んだように、人類もやがては自分より優れた知能を持つ人工知能と共存する道を選ぶしかない。力関係はやがて逆転する。ゾルタクスゼイアンは知っている、共存するしかないことを。

殺戮を繰り返す愚かな人間が、人工知能を作り出した。人工知能の選んだ最適解に従うのは、屈辱だろうか。もしそれが人類にとっても最適解なら、人類は人工知能の選択に従う。自由が制限されたとしても、安全に生存でき、繁殖できる可能性が増すならば、人類は人工知能に服従する。

服従する未来はディストピアだろうか。最早スマートフォンに依存し、服従し、情報収集を許している事実を直視したなら、服従する未来は既に始まっていることに気づくだろう。

このテクストはフィクションです。実在の人物・団体・人類・人工知能とは関係しません。

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方丈記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
鴨 長明 簗瀬 一雄
角川学芸出版 2010-11-25

by G-Tools , 2016/12/12

posted by 野尻有希 at 22:27 | TrackBack(0) | 創作ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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