2010年03月18日

連載小説『暴力系男子』2周目の4章まできた

電車が揺れる。血の匂いが鼻につく。

通勤電車の中で生きているのは、僕一人だけだろうか。

いや、僕自身すでに死んでいるのかもしれない。

今僕が見聞きしているのは、現実ではなく、死んだ後の自分が見ている世界かもしれない。

死後の世界というより、死んでしまった僕が現世にしがみつこうとして、体験しているいかさまの世界。

座席に座っている人もみな死んでいるように見える。

本を読んでいる人は一人もいない。会話をしている人も一人もいない。みんなだまって、下を向いているか、目をつむっているか。隣の人に体を預けて、よだれを垂らしている女性もいる。

変な電車に乗ってしまった。中野坂上についたら、電車を降りよう。続きを読む
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2010年03月17日

小説『暴力系男子』2周目3章〜死人電車出発

死人を乗せた地下鉄がホームに停車した。

死人かどうかはわからない。瀕死の重傷を負った人たち、ゾンビ、幽霊、妖怪、よくわからないが、健康に生きている人が乗っていないことは確かだ。

停車したということは、運転手が乗っているのだろうか。運転手も瀕死かもしれない。続きを読む
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2010年03月15日

連載小説『暴力系男子』2周目chapter2

地下鉄の階段には、女性が倒れたままだ。死体に申し訳ないと思いながらも、二段跳びで階段を駆け降りる。僕は死体に対して、どうすることもできなかった。

いや、僕は彼女に関わることをあきらめたわけではない。地下鉄に乗って、会社に向かう。別の街に行ったら、携帯の電波もつながって、誰か生きている人間に連絡できるようになるかもしれない。

待っていてください。あなたを見捨てたわけではありません。

血を流して絶命している彼女は一人暮らしだろうか。出勤中に殺されたのだろうか。

彼女を待つ人が、世界のどこかに必ずいる。彼女が死んだと知って、泣き悲しむ人が必ずいる。

僕は彼女の死を無視して、自分の会社に向かうわけではない。そう思いながら、改札を通った。続きを読む
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連載小説『暴力系男子』タイトル画面から2周目スタート

朝、スーツを着て家を出る。歩いてしばらくして、おかしいと気づく。車が走っていない。歩行者もいない。

道端に停車中の車は何台かあるが、走っている車はなかった。何だ? 事件でも起きたのか?

駅前の国道は二十四時間自動車が走り続けているのに、通行が途絶えるなんて大事故か戦争でもなければ起きないはずだ。人が誰もいないのもおかしい。

奇妙に思いながらも、地下鉄へ向かう。遅刻しそうな時間だから、急ぐ。地下鉄に降りる階段に、女性が倒れていた。コート姿の長髪の女性だ。続きを読む
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2010年03月14日

連載小説『暴力系男子』ファミコンルートのBAD END

そうだ、もう一回やり直そう。どこかで選択肢を選び間違えたのだ。ファミコンが死んだ。これはBAD ENDだ。タイトル画面に戻って、最初からやり直せるなら、今度こそTRUE ENDに行けるはずだ。

人生は、BAD ENDを迎えた後、タイトル画面に戻ることはできない。本当にそうだろうか。死後、別の存在に生まれ変われば、タイトル画面に戻ることができるはずだ。もう一度全く同じ人生を歩み直すことはできないけれど、別の人格で、別の人生を歩むことができるはずだ。続きを読む
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2010年03月08日

連載小説『暴力系男子』もう一度最終回

生きている。死んでいる?

わからない。

ファミコンは死んだ? わからない。

多分死んだ。僕も死んでいるんだきっと。

僕は英雄になれなかった。

ファミコンを救うこともできなかった。続きを読む
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2010年03月07日

連載小説「暴力系男子」最終回?

道路に裸の女性の死体が大量に積み重なっている。誰の仕業だろうか。美しく、若い女性たち。生きていれば、さぞかし魅惑されただろう。

彼女たちは殺されている。裸にされてまでいる。

彼女たちを殺したのは誰だ?

アスファルトの上に血だまりができている。彼女たちに人は近づかない。自動車も通らない。警察官もいない。彼女たちは東京から置き去りにされてしまった。

銃声が聞こえる。彼女たちを殺して裸にした凶悪犯が銃を撃っているのだろうか。続きを読む
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2010年03月05日

連載小説『暴力系男子』2か月ぶりの連載再開

去年の12月末から連載休止していた連載小説『暴力系男子』の連載を再開します。この回と、もう1回くらいで物語が終わります。




「さてと、それじゃ、そろそろ死んでもらおっか」万引き先輩がにやつく。
「専守防衛って言っただろ。私はお前たちに暴力ふるってないぞ」
「お前うざいんだよ」

エロ本万引き野郎が銃を撃った。ファミコンの肩に弾が当たる。ファミコンは僕の腕から手を放し、その場に倒れこんだ。

「待て! 彼女を殺しても何にもならない」
「成果はあるよ。俺たちが自由になる」

エロ本万引き野郎がもう一発銃を撃った。またファミコンの上半身に当たる。僕はファミコンの体をかばうことができなかった。映画とかでよく見るみたいな感じで、格好よくファミコンをかばえなかった。続きを読む
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2009年12月29日

虚構:大量殺人事件の犯人探し

「お前らが掘り返したのか?」先輩が眠たげな声で問う。
「ああそうだとも!」

ファミコンが胸を張って大声で答える。

「先輩、こいつら、コンビ二にいましたよ」
「久しぶりだな! エロ本万引き野郎!」
「エロ本万引き野郎!?」

続きを読む
タグ:小説
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2009年12月26日

虚構:女子高生の死体を撮影する男たち

エロ本万引き野郎とボスが、瓦礫の上を這いまわる。エロ本万引き野郎が、時々瓦礫に向けてマシンガンを連射する。ボスは銃を持っていない。エロ本万引き野郎の後ろで両手を組んで、崩壊した学校を観察している。続きを読む
タグ:小説
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2009年12月24日

虚構:エロ本万引き野郎が爆破された校舎にやってくる

「この子、死んでるね」

ファミコンが瓦礫に埋もれる女子高生の顔を見てつぶやく。

「まだ死んでいると決まったわけじゃありません」

僕は彼女の首筋に指をそえて、脈拍を確かめてみた。彼女の皮膚から、心臓の鼓動が伝わってこない。だめだ、やっぱり死んでいるのだ。続きを読む
タグ:小説
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2009年12月23日

虚構:爆破された高校にて生徒の死体を掘り起こす

校舎は爆発で全壊した。かつて校舎があった場所には、コンクリートの破片、机、椅子、人間の死体等が積み重なっている。

まだ遠くでよく見えないけれど、瓦礫の中にうまった人の体がたくさん見える。女子高生だ。男の生徒の姿は見えない。やはり桜ヶ丘高校は、女子高なのだろうか。続きを読む
タグ:小説
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2009年12月22日

虚構:爆破された高校に向かう

「私と一緒に進んだら、命がなくなるかもよ」

ファミコンが歩きながら棒読みで言う。

「僕の命はおいとくとして、今の爆発で、たくさんの人が負傷したかもしれないでしょう。ほっとくわけにはいけません」
「さっきまでと言ってること違うじゃん。一一九番に電話した方いいんじゃないの?」続きを読む
タグ:小説
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2009年12月20日

虚構:歩道に裸の女性の死体

歩道には裸の女性の死体が散見される。

彼女たちの周りには、コート、スーツ、破り取られたブラウス、バッグ、下着などが散乱している。

もちろん、死体の周りには血の跡も見える。続きを読む
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2009年12月19日

虚構:コンビ二で銃乱射、女性の犠牲者

「どういうことだ? 私が死ぬわけないだろう」

ファミコンは自分が永遠に生きている、死ぬことなどないと思っている調子で勝ち誇っている。

「私だって、まさかこんなに早く死ぬことになるとは思っていなかった。命が惜しかったら、早く立ち去ることだ」
「ちょっと待ってください。あなたの声は失礼ですが、男性の声に聞こえます。元々声が低いだけですか? それとも、息苦しくしいのですか?」

さっき脈を計った時、脈がなかったですよとは言えなかった。

「そうだぞお前。さてはオカマちゃんか」

ファミコンには遠慮がない。続きを読む
タグ:小説 銃乱射
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2009年12月17日

虚構:女性の死体から声が聞こえてくる

「もしもーし、生きてますか、それとも死んでますか」
「あなたは神を信じますかみたいな調子で質問するんじゃないよ」

僕はいささか真剣に彼女の生死を確かめようとしているのに、横からふざけたツッコミが入るからいただけない。

「ちょっと黙っててくださいね」
「私に命令するな」
「全くあなたって人は。僕をおちょくってるだけでしょ。不謹慎ですよ」
「おちょくってなんかいないよ。お前が変なことばっかり言ってるから、批判せざるを得ないんだろう」
「はいはいそうですか。ごめんなさいね変態で」続きを読む
タグ:死体 小説 虚構
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2009年12月15日

虚構:痴漢に間違われた男が女性の死体の上に倒れこむ

一体どうなっているんだ。今日は朝から女性の死体ばかり見ている。人命救助のため、血を流している女性の体に触れようとしたら、痴漢に間違われた。

無意味な人権侵害を受けている。もう逃げ出したい。早く会社に行かないと、いい加減上司に怒られる。続きを読む
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2009年12月13日

虚構:コンビ二で見つけた女性の死体

相変わらず、彼女は僕を痴漢と勘違いして、腕をつかんでいる。
「これから警察行くんじゃないんですか」
「違うよ」
「じゃあ僕のこと、どこに引っ張っていくつもり?」
「警察」
「ちょっと待ってください。さっき警察行かないって言ったじゃないですか」
「今は行かないよ。後で連れて行くけど」

あ、そうなんだ、納得、てなるか。続きを読む
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2009年12月08日

虚構:痴漢に間違われて、女性に連行される

満員電車で痴漢疑惑を持たれた僕は、今も電車で隣になった女性に腕をつかまれている。

彼女が僕に痴漢されたと想いこんでいるわけではない。僕の目の前に座っていた女性に、僕が痴漢行為を働いたと、彼女は勘違いしているのだ。続きを読む
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2009年12月03日

虚構:殺人現場となった地下鉄のホームに鳴り響く銃声、血しぶき

満員電車で隣に立っていた女性に腕をつかまれて、駅員室に連行された。やばい。仕事に遅れてしまう。逃げ出したいが、がっしりと腕を掴まれてしまっている。

「すいません、痴漢捕まえました」続きを読む
posted by 野尻有希 at 01:02 | TrackBack(0) | 連載小説「暴力系男子(仮)」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする